地代値上げの通知・交渉の手続き

10月 26, 2012 |

地代を値上げしたいとき

地代を値上げしたい場合には、借地人に対してまず通知を行ない、同意を得る必要があります。
ただし、地代は値上げしたいときに自由に値上げできるというものではありません。
地代を値上げすることができるのは

  1. 土地の租税公課(固定資産などの土地にかかる税金)が上昇したとき
  2. 土地の価格の上昇その他経済事情の変動(物価上昇や所得上昇)があったとき
  3. 近隣同種の土地の地代と比べて不相当となったとき

です。
これらの条件は借地借家法の11条1項に定められています。
当事者同士の話し合いがまとまらない場合は、調停を申し立てることになります。
借主は貸主が地代の受け取りを拒否した場合には、自分が適正と判断した額を供託する必要があります。
供託をすることで、地代不払いを理由とした契約解除を防ぐことができます。

通知書の文例

通知書を発行する場合には、以下のような書式で通知書を作成しますが、決まった形式があるわけではありませんので、必要に応じて要件が伝わるよう作成します。

※数字は例です。

地代増額請求通知書

 平成**年*月*日

○○県○○市○○区○丁目○番○号
○○ ○○殿(借地人の氏名)

○○県○○市○○区○丁目
○○ ○○(貸主の氏名)

物件の表示 ○○県○○市○丁目○○番地
契約年月日 平成**年*月*日
地代賃料 毎月金6万円当月分月末払い

 

私は貴殿に、上記の条件で土地○○平方メートルの借地契約を締結しておりますが、前回の値上げから6年が経過し、その間固定資産税等の税金の増額、菌類ン類似の土地の資料との比較などから、現在の地代は安くなっておりますので、下記の地代に増額いたしたく存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。

新地代 毎月金7万5000円当月分月末払い
新地代への変更時期 平成**年*月*日

以上

地代の値上げ交渉の手続き

地代の値上げを希望するときにはまず、借地人に地代の値上げをしたいということを伝える必要があります。
このときには、根拠のある数字を理由や事情と一緒に提示する必要があります。
根拠となる資料は、公租公課(固定資産税や都市計画税)の評価証明書などです。
また、鑑定評価書をとって数字の根拠を示しつつ話し合いをもつという方法もあります。
このような話し合いで地代値上げについて双方の合意ができた場合は、地代改定の覚書などの書面を作成し、お互いに書名・捺印します。

書面については、お互いに自筆で書名をすれば認印を使用して作成してもかまいません。

地代値上げの合意がとれない場合

この場合はまず、明確な地代値上げの意思表示を表明します。

具体的には内容証明郵便で再度地代値上げの請求を行ない、明確な意思を伝えるとともに、訴訟になったときの証拠資料として保存しておく必要があります。

これによって後日、裁判で地代値上げの判決が下りたときには、値上げの請求をおこなったことが証明できる日から値上げの効果が発生することになります。
内容証明郵便を使用すれば、郵便局がその日付を証明してくれます。

これでも話がまとまらない場合は、調停を申し立てることになります。
裁判所の調停委員に仲裁に入ってもらい、お互い歩み寄れるところまで話し合いをすることになります。

調停で話し合いがつかない場合は「地代値上げ請求訴訟」を申し立てることとなります。
地代値上げ請求訴訟には、弁護士費用や不動産鑑定士費用などで40万〜150万円ほどの費用がかかるといわれています。
規模の大きな土地や商業地などで月額地代総額が非常に高い場合などを除いて、地主と借地人双方にとって訴訟を起こすメリットはほとんどないであろうといわれています。
ただし周辺地域一帯の土地を広域的に所有しており、他にも借地人が多数いるという場合は、訴訟判決等による公的な結果がほかの借地関係にも影響を及ぼすことも考えられますので、このような場合には費用がかかっても訴訟をおこすメリットはあると考えられています。

Posted in: 地代と底地・借地権 | Tags: , , , ,

Comments are closed.