通常の地代と相当の地代

10月 26, 2012 |

通常の地代と課税の関係

通常、普通借地権を設定する際には、借地人が地主に権利金を支払い、その後、毎月もしくは毎年、地代を払うことになります。

権利金が借地権価格の対価であるとすると、大抵は更地価格の60%〜70%程度の権利金を支払うこととなります。
そして借地権設定後、毎月もしくは毎年、地代を支払って行くことになりますが、この場合に支払われる地代のことを「通常の地代」と呼びます。

しかし、親族や同族会社などの関係者の間で土地の賃借を行なう場合、必ずしもこの「権利金+通常の地代」を支払うケースに収まるとは限りません。
関係者の間で土地を貸し付ける場合、権利金の授受を行なわないというケースがあります。
この場合、借地人が地代を支払ったとしても、権利金の支払が行なわれていないということになります。

税法では、この支払われなかった権利金をどう計上するかというと「貸付人が権利金を一旦受け取った後、そのお金を借地人に渡した」という解釈をして計上します。

つまり受け取っていない権利金であっても「権利金相当額」は貸付人の益金として計上され、貸付人が会社(法人)である場合には、法人課税の対象となるのです。
これを「権利金の認定課税」といいます。

では、権利金の授受を行なわなかった場合、会社(法人)が土地を貸し付けると、必ず権利金の認定課税がなされてしまうのか、というと、それだけではありません。
借地人が毎月、あるいは毎年「相当の地代」を支払っている場合は、権利金の認定課税の対象にはならないのです。

相当の地代とは

通常の地代は、いわゆる相場の地代であって、契約当初に多額の権利金を支払う分、現状の額で見合っていると考えることができます。
つまり権利金の支払が無い場合は、毎月、あるいは毎年の地代はもっと高くなければ割に合わないというわけです。

このような考え方から、借地人が権利金を支払わない変わりに、毎月、あるいは毎年の地代の金額を高く支払う場合、これを「相当の地代」と呼びます。
権利金を借地権設定の対価と考えると、相当の地代は「借地権価格をなくすことができる地代」ともいうことができます。

相当の地代の金額は、その土地の更地価格のおおよそ年6%の金額になるといわれています。
通常、土地の更地価格は時価(通常の取引価格)とされていますが、相当の地代を支払う際には

  • 周辺の公示地(地価公示)、基準値(都道府県地価調査)の価格から算出した価格
  • 相続税評価額(借地権設定時もしくは過去3年間の平均)

のいずれかの価格を用いることも認められています。

このような算出の仕方をして支払ったとしても、通常の地代はだいたい更地価格(時価)の1%前後ですので、それに比べると相当の地代というのはかなり高額だということになります。
それだけの地代を支払うことによってようやく、権利金の認定課税対象から外れることができます。

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